
建設現場では、日々さまざまな検査が行われています。
検査では、不具合や気になる箇所を確認するだけでなく、その内容を記録として残すことも大切な仕事のひとつです。
ただ、検査記録は提出することだけが目的ではありません。
今回は、検査で残す記録について、少し考えてみたいと思います。
例えば、コンクリートのクラックやジャンカなど、施工途中で確認する箇所があります。
こうした箇所は、その後の工程が進むと、仕上げ材などで覆われて見えなくなることもあります。
検査時にどのような状態だったのか。
どの場所に、どのような指摘があったのか。
必要な内容を記録しておくことで、あとから当時の状況を確認する際の手がかりになります。
もちろん、記録があるからといって、すべての状況がわかるわけではありません。
それでも、確認した事実を残しておくことには意味があると考えています。
検査結果を提出したあと、まれに記録の内容について問い合わせをいただくことがあります。
以前、紙の検査シートを使用していた際には、提出したシートが見当たらなくなり、再作成を依頼されたこともありました。
こうした経験もあり、私たちも検査記録の控えを残すようにしています。
普段は提出して一区切りとなる記録でも、あとから必要になることがあります。
必要なときに確認できるようにしておくことも、検査業務の大切な一面だと感じています。
検査をしていると、さまざまな箇所が気になることがあります。
しかし、気になったところをすべて指摘として記録すればよい、というものでもありません。
検査にはそれぞれ目的があり、依頼元によって確認する範囲や基準も異なります。
すでに現場担当者が状況を把握し、対応を進めている場合もあります。
そのため、必要に応じて現場担当者と状況を共有し、何を記録・報告するのかを確認することも大切です。
私たち検査員には、見つける力だけでなく、検査の目的を理解することも求められると感じています。
検査で残した情報は、その後の是正確認などで役立つことがあります。
以前どのような指摘があったのかを確認できれば、次に何を確認する必要があるのかも整理しやすくなります。
また、時間が経ってから建物の状態を確認する必要が生じた際に、過去の記録が参考になる場合もあります。
そのためにも、記録には確認した場所や状態が、あとから見てもわかるように残っていることが大切です。
検査員は、建物をつくったり、直接補修したりする立場ではありません。
また、確認した箇所を直すかどうかについても、基本的には依頼元の判断になります。
だからこそ、検査で確認した内容を正確に伝えることが重要だと考えています。
必要なことを確認し、適切に記録・報告する。
その積み重ねが、現場の品質管理や、その後の確認を支える一つの役割になるのではないでしょうか。
私たちも、ただ指摘を残すだけではなく、その記録が何のために必要なのかを考えながら、日々の検査に取り組んでいきたいと思います。
担当:髙村